最も小さいうさぎとして知られるネザーランドドワーフ。
小さくて一人暮らしや賃貸マンションでも飼いやすいこともあり、飼いうさぎの中でも一番人気の品種ですが、どんな性格をしていて、懐くのか懐かないのか、飼育方法や注意点は?
気になる寿命や価格などと合わせてまとめました。
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ネザーランドドワーフとは?
ネザーランドドワーフは飼いうさぎの一種で、オランダに起源を持ちます。ネザーランドとはオランダという意味で、大人になっても幼く見えるネオテニー(幼形成熟)の特徴を持ち、小型種の意味であるドワーフと合わさった名前です。
顔が丸顔で、耳の長さが極端に短く、身体のサイズも小さいため大人になっても仔うさぎのような見た目であることが人気の理由かと思います。
実際には違いますがピーターラビットのモデルにもなったと言われるほどかわいく、比較的小さいケージでも飼うことが出来、臭いも少なく、あまり鳴かないことから、独り暮らしや賃貸マンションの方にお勧めです。
どれくらいのサイズまで成長するの?
飼いうさぎの品種としては最小として知られ、大人になっても仔うさぎの特徴を残していることで有名ですが、実際どれくらいのサイズまで成長するのでしょうか。
体長や体重、飼育に必要なスペースについてまとめました。
体長と体重はどれくらい成長するか
うさぎは成長の早いペットで5~8ヶ月程度で大人になります。特にネザーランドドワーフは身体のサイズが小さい小型種のせいか、5~6ヶ月で大人になります。
生後2ヶ月の赤ちゃんの時は大体500gほどで両手に乗るくらいのサイズですが、大人になると体長25㎝、体重1㎏行かない程度までは成長します。
それでもうさぎとしては非常に小型で、基本的に体長35㎝前後、体重2㎏程度のうさぎが多い中、半分ぐらいのサイズとなってきます。
ちなみに、小さい子が飼いたいからと生後2ヶ月以内の仔うさぎを探す人もいますが、生後2ヶ月以内のうさぎは体調も崩しやすくデリケートなので基本的に販売されていません。売られていたとしても初心者は手を出さない様にしましょう。
必要な飼育スペースとケージサイズ
ケージのサイズを選ぶ際に気を付けることは、身体のサイズに対して大きすぎも小さすぎもしないケージを選ぶことが重要になってきます。
とはいえ、一般的に市販されているようなうさぎ用ケージに大きすぎるようなものは無く、トイレやエサ入れなどを置いていけば適当なサイズになってきますので、部屋の間取りと相談しながら出来るだけ大きいものを選ぶと良いでしょう。
あんまり広い部屋では無いのでうさぎのストレスにならない程度に小さいものが良いという人は、縦60㎝×横45㎝×高さ50㎝程度のもので選ぶようにしましょう。
うさぎが立ち上がったり、寝転んで手足を伸ばしてもぶつからない程度のケージの広さは必要であり、店員と相談しながら上記程度のサイズのものが良いかと思います。
上記程度のサイズであれば、大きめの洗濯機や冷蔵庫程度の縦横になり、高さは無いので、一人暮らしや賃貸マンションの方でも置ける範囲のケージになるかと思います。
気を付けなければならないのは、ネザーランドドワーフが活発に動き回るタイプの品種だということです。ケージから毎日30分程度ケージの外に出してあげると喜ぶため、一畳程度の動き回れるスペースは確保してあげてください。
どんな色や種類がいるの?
ネザーランドドワーフのカラーバリエーションは非常に豊富で、公式に認定されている毛色だけでも30種類以上あります
大きく分けると、セルフ、シェイデット、アグティー、タンの4つで、そのほかにも分類されないグループがあります。
よく見られるのはオレンジ色の子だと思いますが、黒や灰色、白色の子、複数の色が入っていたり、ポイントで色が入っている子、目の色が赤い子など、色々な種類の子がいます。
色により価格の違いはないことが多いので、是非お気に入りの子を探して可愛がってあげてください。
セルフグループ
ブラックやブルー、チョコレート、ライラックなど
シェイデットグループ
セーブルポイントやサーアミーズセーブルなど
アグティーグループ
チンチラやオパール、スクワーレンなど
タングループ
オター、シルバーマーチン、タンなど
その他グループ
ヒマラヤン、オレンジ、フォーン、スティール、ブロークンなど
どんな性格なの?
ネザーランドドワーフは好奇心旺盛で活発的、人懐っこい性格の子が多いと言われています。
元々は小型で耳の小さいポリッシュと、小型の野生のアナウサギを交配してできた品種で、野生品種と交配した結果、驚きやすく攻撃的、人に懐きにくい性格だったようです。
しかし、何代もペットに向いた子を選択していくうちに、活発的なところを残しながらも、今のような温厚で人懐っこい性格になったとされています。
その時の名残なのか、独立心が強く、多少気が強いことで中々人に慣れにくい子もいるようで、極端に性格が分かれる為、好みに合わせて定員さんに相談してみると良いでしょう。
懐くのかどうか
基本的には人懐っこいため、慣れてくれば抱っこも出来るようになり、名前を呼べば寄ってきてくれるようになります。
撫でてほしいとすり寄ってきたり、抱っこしていると眠ってしまったり、マイペースで温厚な正確に癒されます。たまにブゥブゥ起こっていたり、完全に油断しきって両手を伸ばしてゴロゴロしていたりも可愛いですね。
ツンデレな子は触られるのを嫌がり懐くのに時間がかかる場合もありますが、しっかりと愛情を持って長期的に接してあげれば、少しずつ心を開いてくれます。猫好きの人にはあってるかもしれませんね。
トイレ等のしつけは可能か
知能としては比較的賢い子が多く、しつければトイレも覚えることができます。
トイレのしつけのポイントは小さいうちに覚えさせる事ですが、ネザーランドドワーフは仔うさぎの時期が他のうさぎに比べて少し短いので早めにしつけをしておく必要があります。
※大人になると無理なわけではありません。
しつけの方法としては、2か月以上のお家に慣れた子へ、トイレをエサ場から離した適切な箇所に設置し、間違った場所にしたら場合すぐにふき取って臭いを消し、ふき取って臭いの付いたティッシュをトイレに設置するというステップになります。
ネザーランドドワーフに限らずトイレのしつけ方法はどのうさぎでも同じため、詳しく知りたい方はうさぎにトイレのしつけは可能かを読んでいただければと思います。
活発的なので騒音には注意
好奇心旺盛で活発的な為、ケージ内を走り回ったり、ケージをかじったり、トイレやエサ入れをひっくり返したりなどの騒音には注意する必要があります。
とはいえ、ケージ内を走り回る子には音を抑えるシートが販売されていますし、ケージをかじる子にはかじり木を用意、エサ台やトイレをひっくり返してしまう子には固定式のエサ台やトイレにするといった対策を行なうことが出来ます。
その子にとっては必要だから行っているということがほとんどで、基本的にはうさぎを怒るのではなく、対策することで伸び伸びと過ごせる環境を作ってあげましょう。
ケージの外に出す機会を増やしストレスを溜めないようにしてあげることも、騒音を防ぎ、うさぎが幸せに暮らしていく上で大切になってきます。
寿命はどれくらい?
大体5年から10年程度が平均的な寿命だと言われています。
長生きした子だと13年以上生きた子も報告があるようですが、うさぎの中では小さい品種の為、他のうさぎに比べると成長が早く、8歳になるとかなりのおじいちゃんおばあちゃんになってきます。
気になることや心配なことがあれば早めに動物病院へ連れていき、先生と相談しながら対策や対応を行っていくことが重要です。
いくらの値段で売られているの?
大体20,000万円~50,000万円くらいの値段で売られています。
ペットショップによって差があり、上記よりも高かったり低かったりもします。
どうしてその値段なのかは把握するよう、下記を読んで店員さんに相談するようにしましょう。
どうして値段に差があるのか
基本的には血統書があるかどうかと年齢が値段に反映してきます。
年齢が若いほど高く、歳を取るほど安くなっていく傾向にあります。やはりうさぎと長く暮らしたい、小さい時から面倒を見たいという人が多く、若い子の方が人気が高く売りやすくなってくるからでしょう。
血統書が付いてない場合と付いてる場合でも、値段は変わってきます。
ペットショップではネザーランドドワーフと名前が付いていても実際にはネザーランドドワーフと他のうさぎの混血という場合があります。
純潔か混血か見分ける方法
ネザーランドドワーフの特徴は、丸顔で耳が短く、身体に比べて顔の比率が大きい事、身体が小さいことです。
ただし、仔うさぎの場合、上記の条件が大体当てはまってしまい、見分けるのはプロでないと困難です。
特にネザーランドドワーフを選ぶ理由が小さいからという人は注意が必要です。混血の場合、体重が2㎏まで大きくなる可能性があるからです。
ネザーランドラビットなど、名前を変えて販売してくれている所は親切ですが、名前をそのままに販売しているペットショップも多いため、店員に聞くのが一番でしょう。
どんな子をどう選べばよいか
うさぎが活発的になるのは夕方になるため、その時間に合わせて見に行くとその子の本当の姿を見ることが出来ます。
ケージは綺麗に掃除されているかなどの飼育環境のチェックが必要です。また、目ヤニが出ていたり歩き方に問題が無いかや、エサをしっかり食べ、糞は乾燥したコロコロしたものになっているかなどの健康チェックも必須になります。
きちんと最後まで面倒を自分が見れるかどうかが重要です。見た目が自分の好みか、触ろうとしたとき寄ってくるような好奇心旺盛な子か、動じないマイペースな子かなどの性格も店員さんと相談しながら選ぶようにしましょう。
飼育の注意点は?
特にネザーランドドワーフだから気を付けないといけないというよりは、うさぎ全般に言えることが多いです。
ただし、身体が小さいことで気を付けないといけないことなどもありますので注意しましょう。
エサは何?適切な量は?
基本的に他のうさぎ同様、牧草がメインでペレットで補っていくことになります。おやつや野菜などはコミュニケーション目的で与えることがあります。
詳しい内容は【年齢別】うさぎのエサやり方法と適切な量を読んでいただけるとわかりやすいかと思います。
他のうさぎと違う点としては、小型の種なので大人のうさぎになるタイミングが早く、大人のうさぎに与えるエサに切り替えるタイミングが早くなってくるところです。
エサを買っているペットショップやいつも見てもらっている動物病院に相談しながら切り替えていくと良いでしょう。
水はどう与えれば良い?
他のうさぎ同様、一般的な水道水で問題ありません。逆にカルキ抜きしたり浄水した水だと腐りやすくなるため注意が必要になります。ミネラルウォーターなどもカルシウムなどが含まれている為、適切ではありません。
大体体重100gに対して一日5~10mlが適正な量とされていますので、体重が1㎏いかないネザーランドドワーフの場合、50~100ml程度が適当な量となります。
給水器に入れられる量は300ml前後のことが多いため、満タンに入れて朝晩変えてあげ、半分くらい飲んでいれば良い感じだなと思うくらいで大丈夫です。
もちろん個体や状態、温度などによっても変わって来ますが、あまりにも飲まない、飲みすぎるという場合には動物病院に相談しましょう。
適切な温度は?
一般的にうさぎは寒さに強く、寒さに弱いと言われており、適正温度は大体16℃~26℃位と言われています。
ネザーランドドワーフの場合身体が小さいため、他のうさぎよりも温度の変化には弱くなってしまいます。他のうさぎ以上に温度変化には気を付け、対策を早めに行なうようにしましょう。
うさぎ飼育の適正温度|夏冬対策は大丈夫?に暑さ対策、寒さ対策をまとめてありますので、参考にしながら対策をしていくとよいでしょう。
ブラッシングの頻度は?
短毛種であまり毛の量もあまり多くないネザーランドドワーフですが、ブラッシング自体は必要です。理想は毎日やる方が良いですが、週に1回程度の人も多いのではないでしょうか。
他のうさぎだと週2回は行った方が良いブラッシングですが、ネザーランドドワーフの場合少しだけ楽かもしれません。
※他のうさぎもネザーランドドワーフも毎日やるに越したことはありません。
ただし、換毛期には出来るだけ毎日やってあげましょう。3~5月と9~10月の年に2回、大体2週間程度、毛が一気に生える変わる時期があります。
暑い夏用の毛と寒い冬用の毛に生え変わる大事な時期ですので、しっかりブラッシングして清潔に保ってあげ、毛球症にならない様に気を付けましょう。
避妊、去勢はした方が良い?
繁殖をする予定がないのであれば、メスの場合必ず避妊手術をした方が良いです。ネザーランドドワーフに限りませんが、避妊手術をせず繁殖を行わなかったメスは高確率で子宮癌になります。
オスの場合は難しい所で、動物病院の先生に寄っても意見が分かれてくるところです。去勢をすることで性格が丸くなり、マウンティングやスプレーを行なわない、生殖器の病気のリスクが減るなどのメリットがありますが手術の負担を考えて行わない場合もあります。
生後6か月~1年の間に動物病院に相談しながら行うかどうか決めるのが良いでしょう。
多頭飼いは可能?
無理ではありませんが、あまり多頭飼いには向かない品種ではあります。
元々の野生の血が騒ぐのか、活発的だからなのか、一緒に飼っていると他の子を攻撃してしまう子が多い様子。小さい時は温厚で問題なかったのに、大きくなると活発になり、マウンティングを行ったりもあるようです。
うさぎを飼うのに慣れていない人は控えるか、しっかりと店員に相談してから行なうようにしてください。
気をつけた方が良い病気は?
ネザーランドドワーフだから特別かかりやすいという病気や、ソアホックになりやすい等はありませんが、抱っこなどを嫌がる子の場合、病気になった時や爪切りの際に苦労するようです。
他のうさぎ同様、うさぎがなりやすい病気のサインを見逃すな|13の症状と対処法を読んで早めに病気のサインに気付き、対策を打つようにしましょう。
散歩、うさんぽは必要?
外で散歩をする必要は無く、部屋の中でケージから出してあげるだけで充分です。
活発的な性格なので、喜んで部屋の中を飛び回るのではないかと思います。中々部屋の中でケージから出してあげられない人は外にうさんぽに出ても良いと思います。
ただし、うさんぽ中は変なものを飲み込んでしまわないか、猫や鳥が近くにいないか注意深く観察できる、広い公園の真ん中などが良いでしょう。