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うさぎを去勢しなかった理由【効果や死亡リスクは?】

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うさぎを去勢しなかった理由【効果や死亡リスクは?】

うさぎのオスを飼っている場合、去勢手術を受けるかどうかは非常に悩むところですよね。私も非常に悩んだところです。

メスの避妊手術の場合は、子宮の病気になる確率が少なくとも50%以上という話もありますが、オスはどうなのでしょう。

去勢後の性格の変化や効果は?去勢手術にかかる費用は?いつまでに受ければいいの?うさぎの去勢に関する情報をまとめました。

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去勢のメリット

うさぎのオスに去勢手術をする効果は主に3つになります。

  • 生殖器の病気にかからなくなる
  • 性格が大人しくなり、問題行動が減る可能性
  • 望まない繁殖を防げる

デメリットと合わせて必要かどうか判断できるよう、それぞれの効果を詳しく見ていきましょう。

生殖器の病気にかからなくなる

メスほどでは無いにしろ、オスも陰嚢ヘルニアや精巣炎など生殖器の病気にかかる可能性があります。

メスのように避妊手術をしていない場合50%の確率で発症するなどのデータは見つけられませんでしたが、飼育情報が一般的になり平均寿命が伸びてきている中で珍しくなくなってきているようです。

病気の手術では原因である陰嚢の去勢手術にプラスして、状況を改善するための処置が施されます。

高齢になってからでは体力も落ち、麻酔のリスクも上がってしまうので、結局去勢手術が行われるのであれば、若く体力があるうちに行っておいた方が長生きできるというのがおすすめされる理由でしょう。

性格が大人しくなり、問題行動が減る可能性

思春期になると見られるマウンティングやスプレー行動、噛むなどの凶暴な性格が去勢後に穏やかになったというのは実際にあるようです。

ただし、術後に必ず治るというわけではなく、緩和されたけど0にはならなかったり、全く変化が見られないということもあります。

特に年齢もある程度進んだうさぎだと、スプレー行動が癖になっていたりで縄張り意識とは関係なくやる子もいるのが実際のところ。

必ず大人しくなるわけでは無いので問題行動を治すためだけに行うのではなく、しっかりと他のメリットデメリットを理解した上で選択した方が良いでしょう。

望まない繁殖を防げる

うさぎには特別な性周期がなく、通年繁殖が可能です。

一度の妊娠で4〜10匹も出産するほど繁殖力が高く、メスは3ヶ月、オスは5ヶ月くらいから生殖機能が備わってくるため、オスとメスを同じケージで飼ってしまうと爆発的に増えてしまいます。

交尾も30秒程度のわずかな時間で終わるため、普段は別々に飼っていてサークル内だけ一緒に遊ばしていても妊娠させる可能性は高いです。

ほとんどの方が4〜10匹をいきなり追加で飼うことはできないと思いますので、多頭飼いの場合には基本的に去勢を行った方が良いでしょう。

去勢のデメリット

去勢にはメリットだけでなくデメリットもあり主に3つです。

  • 繁殖できなくなる
  • 失敗する可能性が0では無い
  • 肥満になる可能性があがる

特に失敗する可能性が0ではないという点が飼い主さんにとっては重くのしかかるかと思います。

判断しやすいように、それぞれどう危険であり、どのように対策ができるのかを詳しくまとめました。

繁殖できなくなる

当たり前ですが、繁殖機能を失いますので、その子の血を残したいなどの希望がある場合には去勢できません。

とはいえ、ほとんどの方が1回以上の繁殖を個人では行えないと思います。

生まれた子供もすぐに生殖可能になるため、子供を孕ませないためにも繁殖後に去勢する必要が出てきます。

生まれた子供同士も交尾しないように去勢や避妊を考えないといけなくなるでしょう。多頭飼育の場合は基本的に去勢しないといけないものだと思っておいてください。

失敗する可能性が0では無い

オスの手術はメスのように開腹手術では無く陰嚢近くを切開して精巣を切り取る程度とメスに比べるとはるかに簡単な手術ではあるのですが、全身麻酔であることがほとんどです。

うさぎは犬猫とは違い麻酔用のチューブを気管に通しづらく、マスクで麻酔を行うため、必要量うさぎが吸引しているかわかりづらく、麻酔のリスクは犬猫に比べて高くなります。

失敗する割合としては0.5%程度ですが、逆に200匹に1匹は死亡する可能性があるということです。

実際には腕の良い先生で、うさぎの身体に何も問題が無い元気なうさぎであればまず失敗しないようですが、医療に絶対は無いということを覚えておかないといけません。

肥満になる可能性が上がる

異性への関心がなくなることで食に走りやすく、ホルモンバランスが崩れることで太りやすくなる可能性があります。

食事の管理をしっかりすれば回避できますが、以前と同じ量を与えていても太る可能性があるため注意が必要です。

うさぎをよく観察し、食事の管理だけでなく、ケージの外に出す頻度や時間で運動量も管理してあげてください。

去勢手術の費用はどれくらい?

値段は病院ごとで自由に設定できるため前後がありますが、猫とサイズが近く、麻酔以外の手順は似ていることから同程度の金額で設定されていることが多いようです。

相場の費用は大体10,000〜30,000円程度となってきますが、価格が安いから、高いから良いというものでもありません。

麻酔の難易度が犬猫よりも高くなるため、聞きづらいとは思いますが獣医師さんに今までのうさぎの実績を聞き、気になることはなんでも相談して納得した上で決断するようにしましょう。

去勢手術の料金はペット保険に入っていても、健康な状態のうさぎに手術を行うことから保証を受けられないことも頭に入れておいてください。

去勢手術は何歳までに受ければ良い?

何ヶ月、何歳までに受けた方が良いかですが、体力も考えて大体生後6ヶ月から3歳の間に受けるのが良いとされています。

メスの場合は子宮に肉がつくと難易度が上がるため1歳までに受けた方が良いとされますが、オスの場合はそれよりも長く設定されています。

スプレー行為やマウンティングが癖になる可能性もあるので、早めに受けた方が良いではありますが、梅雨のジメジメした時期や夏の暑い時期には体力が落ちやすいので上手く避けて受けるようにしましょう。

手術や術後の流れは?

病院によって方法や流れは変わってきますが、大まかな流れとして参考にしていただければと思います。

  1. まずは去勢手術の予約を行い、手術の数日前、もしくは当日に手術を受けても問題ないか身体検査と血液検査があります。
  2. 飼い主さん自身も手術の前日から当日に、餌を食べた量や水を摂取した量、糞の状態はどうか確認し、少しでも気になることがあれば獣医師に相談しておいた方が良いでしょう。
  3. 手術の仕方は全身麻酔をした上で睾丸をよく引き出して固定し、陰嚢に1〜2㎝の切開を行って精巣を切除、縫合や外科用接着剤などで貼り合わせて完了という流れです。手術の中では簡単な部類に入り、30分から1時間もあれば終わります。
  4. うさぎはストレスに弱く、知らない環境だと餌を食べない可能性があることと、犬猫の鳴き声で怯えないために入院をさせない日帰り手術の病院が多いようですが、検査結果や病院の設備、うさぎの状態によっては入院することもあります。
  5. 術後は食欲が落ちていないかや傷を舐めて開いてしまっていないか、腫れがひどくなっていないか等に注意しながら、処方された抗生物質や胃腸薬を与えることになります。
  6. 1週間程度で抜糸と術後の経過を見てもらうために病院に行き、問題ないようであれば完了となりますが、気になったことがあればそれまでに電話などで相談するようにしましょう。

うさぎを去勢しなかった理由

うちのうさぎ店長は去勢手術を行いませんでした。飼い主のエゴかもしれませんが、今悩まれている方の参考に少しでもなればと思い記載しておこうと思います。

まずうさぎ店長はマウンティングやスプレーなどの問題行動がほとんど見られないお利口さんであることが一番の理由になります。

マウンティングは思春期に入ったくらいに過去一度だけありましたが、その時ダメだと叱るとそれ以降見せたことはありません。

スプレーに関しても、水を飲む量やおしっこする量が他のうさぎよりも多いうさぎ店長ですが、ケージの外で行ったことは無く、ケージ内でもほとんど見たことがありません。

ケージにはおしっこが跳ねても大丈夫なようにガードがあるタイプのものを使っているので気になっていないだけかもしれませんが、気にならないので抑制する必要もないだろうというのが考えです。

ミニレッキスだからなのかどうかは分かりませんが、甘えん坊で人懐っこく、噛まれたことは一度もありませんし、足ダンに関してもこちらが大きな音を立ててしまったりで脅かしてしまった場合などにしか見られませんので、凶暴だから直したいなどの思いもありませんでした。

むしろ万が一性格が変わってしまったら嫌だなぁという飼い主のエゴが一番大きかったように思います。

生殖器の病気に関しては将来心配ではありますが、どんなに調べてもメスのように高確率で発生するというデータがあるわけでも無く、麻酔で万が一死んでしまったら怖いという恐怖心もあったでしょう。

少しずつ飼育に関する情報も改善されてきてうさぎの平均寿命はどんどん長くなっているので、オスの生殖器に関する病気も珍しくは無くなっており、心配では無いかと言われると嘘にはなります。

そのため、日々の体調チェックで睾丸に問題がないかは注意して見ないといけないではあります。

去勢に限らず、うさぎにどうしてあげた方が良いのか答えがないことは沢山あります。特に高齢のうさぎになれば治療で難しい選択を迫られる場合もあるでしょう。

終始うさぎだけを見てあげることは出来ないように、やってあげた方が良いではあるけど現実問題難しいという場面もあるでしょう。

万が一うさぎが死んでしまった時、こうしておけばよかったと自分を責めてしまうのは、飼い主として当然の心境だと思いますが、必要以上に責めすぎて立ち直れなくなるのはうさぎも望んでいないだろうなと思います。

自分はうさぎに何を求め、この子は何を求めているのかしっかりと考えた上で、どこまではうさぎに出来るのか線引きをしっかりと行っておけば心の準備もしやすいのではないかと、うさぎの看取り方を勉強しながら思う次第です。

結果的に将来うさぎ店長が生殖器の病気にかかり、それで死んでしまったら、また違った感情を持つのかもしれませんが、その時の自分たちは「今のうさぎ店長のまま一緒に暮らしていきたい」、「生殖器の病気になるかどうかわからないのであれば今リスクは取らない」、そのために「日々の体調チェックは注意して行う」という線引きを行いました。

幸い今も元気に暮らしているので今のところ後悔はありませんし、万が一があってもこの線引きをした自分を責めすぎないようにしたいと思っています。

色々な考え方があると思いますので何が正しいというものではありませんが、去勢手術を行った方が良いという記事が多かったので、迷っている人が色々考えた上で決断できるよう参考になればいいなと思います。